子ども家庭支援の心理学を学ぼう!(保育者のセルフケア)

2021/12/03(金)
子ども家庭支援心理学を学ぼう!(保育者のセルフケア)

本校では、保育の対象の理解に関する科目の一つとして『子ども家庭支援の心理学』を開講し、発達心理学や教育心理学で学んだ心理学知見に基づく、子どもの理解と援助の方法論を探究していきます。

子ども・子育て家庭を取り巻く環境は大きく変化しています。近所付き合いの減少によって子ども・子育て家庭と地域社会とのつながりが希薄化し、かつて形成されていた近隣ネットワークが機能しなくなりつつあり、子育ての悩みを抱える子育て家庭が増加しています。その結果、子育ての負担感、不安感、孤立感が高まり、子育てや子どもの虐待に関する育児相談件数も増加し、大きな社会問題となっています。このような社会背景がある今こそ、子どもや子育て家庭への支援がこれまで以上により必要となっています。
子育て家庭の支援を行う保育士の仕事はますます重要となり、子育て家庭支援の内容を強化するとともに、子どもと家庭への“こころの支援にあたる力”をつけていくことが求められてきています。
しかし、こういったニーズに対する理解や共感は、保育者自身のストレスへとつながる可能性があります。この日の授業では、保育者自身のメンタルヘルスについても触れ、どういう形で解消していくことが望ましいのかという観点で考えてゆきました。
講師は元北海道教育大学教授の福岡真理子先生です。1年次に発達心理学を、2年前期に教育心理学を、そして、後期にはこの子ども家庭支援心理学を担当くださっています。毎回講義の後に提出する振り返りシートには、質問・疑問・相談など自由な書き込みが可能です。学生からの問いかけにいつも全力で答えてくれる頼もしい、そして断然面白い真理子先生の講義は、全国で本校でのみ受講できます!!
この日のテーマは特別な配慮を要する家庭。子どもの成長や発達には、取り巻く環境が大きな影響を及ぼします。一人ひとりの子どもや家庭を理解し、共感を深めることにより、知らぬ間に保育者自身にもストレスがかかって来ています。アンガーマネジメントを知ることで、自分自身にあったストレス解消法を見つけ、コントロールしていくことも大切なセルフケアです。
真理子先生が活用している〇×カード。真理子先生の質問に〇か×かで答えます。
アクティブラーニングを取り入れた授業展開。より学習能力が高まります。
アクティブラーニングとは、学生自身が主体的・対話的に解を見出していき、深い学びが得られる学習方法です。
調べ学習を行い、互いに教え合うことで、より深い学びの効果があります。教えることは、2回学ぶと同じ効果もあるとの説も!
全ての人が抱えているストレス。しかし、このストレスも私たち人間の成長にとっては大変重要なものです。ノーストレス状態に置かれた人はどうなるのかという実験があり、最後は精神を病んでしまうという事例を紹介し、適度なストレスは私たちにとって必要なことも学習しました。

ガイダンスカウンセラーである真理子先生も、カウンセラーの人たちのための『メンタルヘルス研修会』に参加して、10秒呼吸法など日常生活で行えるリラックス方法を教わって来たとのことでした。日常生活の中で、自分なりの楽しみを見つけて『ほっこりする時間』『小さな幸せ』を感じることも大切なメンタルケアであることを学び、長い人生におけるストレスと上手に付き合っていくことが大切なことを学びました。