雪の妖精シマエナガの森 特別講演会

2021/02/09(火)
釧路自然再発見シリーズ特別講演会『雪の妖精シマエナガ森〜山本光一の世界』

くしろせんもん学校では、今年も外部講師の先生を招待して、特別講演会を開催しました。
今回お招きした講師は、前田一歩園財団の自然普及課長の山本光一氏。釧路市内に生息する野鳥で、今話題沸騰中のシマエナガの生態について教えていただきました。

雪の妖精の異名がつく真っ白で可愛い野鳥のシマエナガ。
日本では北海道にのみ生息し、わずか14センチ、7グラムという日本で2番目に小さな鳥です。
シマエナガは家族思い、仲間思いの鳥。鳥の建築家と呼ばれ、コケや枯葉を集め、蜘蛛の巣を接着剤代わりに活用して、約1ヶ月間も掛けて巣作りを行います。野鳥が生息する森は、他の鳥や動物も多く生息するため、せっかく作った巣も、完成前に外敵に壊されることが度々あるそうです。しかし、この宿命を受け入れて、孵化に間に合うようであれば、一から巣作りを始めるシマエナガ。諦めず何度でもチャレンジし、頑張る姿に大感動!
私たちの人生でも起こる失敗や後悔も「何度でもやり直して頑張れるんだよ」とシマエナガが教えてくれました。
私たちの身近にある大自然の中で、小さな身体で精一杯に生きる姿を知り、可愛いだけではない秘められた魅力を発見できました。
自然写真家・シマエガナの伝道師山本光一氏。京都府生まれの山本さんは、突然の母の死、未熟児として生まれた双子、同僚の殉職(前職は警察官)、『命』について深く考える機会となった3度の出来事を経て、悔いが残らない人生を歩みたいと31歳で北海道へ移住。今は阿寒湖周辺の森づくりや自然環境保全などに取り組んでいる前田一歩財団で勤務しています。
くしろせんもん学校 環境・教育センター長の大西先生です。釧路の自然を知り尽くし、釧路自然再発見シリーズをライフワークとして取り組んでいる私たちの学校の宝物のような先生です。
北海道の教壇に立つ最高齢の先生でもあり、私たちに“自然から学ぶことの大切さ”を教えてくださるのです。
全学生が集合するということで、密を避け、今年は体育館で開催しました。
北海道を代表する鳥は?クマゲラ、丹頂、シマフクロウ。
小首を傾げ、真っ白な顔が愛くるしいシマエガナ。文具やマスキングテープ、お菓子など今や大人気のキャラクターです。
左がシマエガナの巣です。苔や枯葉、発泡スチロール、羽毛、蛾、蜘蛛の巣、あらゆるものを活用し、生まれて来る雛のために懸命に作ります。
他の鳥と仲良しで、社会性に富むシマエガナ。仲間を思う気持ち、折れない心を持ったシマエガナの生き方を、人間の私たちも見習いたい部分が多々あると感じた講演会でした。