認知症の理解Iを学ぼう!

2019/08/01(木)

本授業は、認知症の本質や認知症特有の症状やケア、認知症を取り巻く社会環境などを正しく理解することを目的とした授業として前期15講開講しています。

講師は介護老人保健施設 老健くしろ 教務部長であり認知症指導者の五十嵐あや子先生です。五十嵐先生は約40年のキャリアを持つベテランナース。本校の介護指導者としては15年間、介護スタッフの育成にも力を注いでくださっています。

社会の高齢化とともに認知症になる人が増えています。時代とともに認知症への理解が明らかになってきた今日では、80代の2人に1人が、90代から100歳になるとほぼ全員の方に何らかの症状が認められるといわれています。

五十嵐先生の授業では、認知症における正しい知識やその心理を学び、時代とともに変わりゆく認知症の最新のケアの方法を学んでいきます。

取材した日の授業は、終末期医療と介護、その環境づくりについての学びでした。誰の元にも等しく訪れる老いと終末期。パーソン・センタード・ケア※1を理解し、認知症とともに生きる人々の心理ニーズを知り、大切な家族を失った悲しみへの理解についても学びました。

※1 年齢や健康状態にかかわらず、すべての人々に価値があることを認め尊重し、一人ひとりの個性に応じた取り組みを行い、認知症の人・人間関係の重要性を重視したケア

江別すずらん病院 認知症疾患医療センター長 宮本礼子氏、グループホーム福寿荘 総合施設長 武田純子氏の共同著書「認知症を堂々と生きるー終末期医療・介護の現場から」2018年5月に初版された認知症ケアの最新情報が満載された著書も活用しながら授業を進める五十嵐先生。(本ニュースでも参考文献として活用しています)

高齢者の終末期に見られる身体兆候や、看取りの時の家族の心理と介護を丁寧に教わります。

真剣に学ぶ学生。いただく資料にはアンダーラインがいっぱいです。

姿勢の工夫も大切です。イラストで示してくださるので分かりやすいのです。
ほとんど食べられなくなっても、甘みの感覚は最後まで感じます。聴覚は最後まで残ります。その人の五感に語り掛けるような気持ちで、ケアしていくことが大切です。
その人らしさを大切にするパーソン・センタード・ケア。パーソン・センタード・ケアを実践するために認知症の人の視点を大切に、人として、相手の気持ちを大事にし、尊敬し合う関係性の構築が必要です。

人生の最終章に寄り添う介護福祉士は、感性を養うことが大切と五十嵐先生。

認知症医療を学び実践することは、相手を理解し、尊ぶこと。それは私たちが生活し、生きていく普段の生活上でも、常に意識し実践していきたいことなのだと感じました💛