発達と老化の理解を学ぼう!

2019/07/24(水)

介護環境科1年生が受講している『発達と老化の理解Ⅰ・Ⅱ』。本授業は、介護の真髄を理解するために設けている{こころとからだのしくみ}を学ぶ授業として通年を通して開講しています。

人の一生は変化の連続です。成熟へ向かう変化もあれば、衰退に向かう変化もあります。また、停滞するという事態もあります。この変化が生じる理由と望ましい方向性を理解し、生から死へと向かっていく人の成長と発達の考え方について学んでいきます。

担当講師は本校とはゆかりが深く、非常勤講師を43年間続けてくださっている人文心理学研究所を主催している小杉和寛先生。

この日の授業では、お年寄りの心と身体の変化と、死と死にゆくことについて学びました。年齢を重ね身体機能が低下すると心までが孤独になっていきます。

社会的役割の喪失や家族・友人とのつながりの喪失は、その人の世界観や人格まで変えてしまう。その急激な変化に心がついていけない人もいることを、介護福祉士は理解をし、寄り添っていくことが大切なことを学びました。

「教科書に書いていることを鵜呑みにするのではなく、何故そういえるのか、根拠は何処にあるのかを自分で考え・判断していくこと、自分が納得できる気持ちが大切」と心理学者の小杉先生は受講の姿勢も大切にしています。

小杉先生は1976年から本校の教壇に立ち、多くの学生たちに人として生きていく上で大切なことを教えてくださっています。(筆者も本校で小杉先生に発達心理学を学びました。◯◯年ぶりの受講に、大変感銘を受けました)
四重丸が印刷してある紙の上に、木綿糸で縛ったお金を垂らします。
「糸は上下に動く。上下に動く。上下に動く・・・」小杉先生が静かに語りかけます。すると・・・
あら不思議、何の力も入れていないのに、糸は上下に動き出しました!これは何?魔法の糸?それとも催眠術?
糸が動いた人、動かなかった人がいました。心の緊張状態が作用しているようです。
人の役に立つ仕事がしたい!年齢が違っても、同じ志を持ち集まった仲間たちは、とても仲良く学んでいます。
「食物連鎖の観点で考えると、死が役立たないのはガン細胞と人間だけ。私たちは生きているうちに何十匹の、いや何百匹の鮭や豚肉、野菜、米を食べて来ただろうか。全ての動植物は死後何かの、誰かの役に立っているのです。だから死後役立たない人間は、生きているうちに誰かの、何かの役に立っていかなくては」小杉先生の言葉は、深くふかく心に響きました。